今から約60年前に創業した弊社は、呉市安浦町に本社と安浦工場があり、牡蠣のむき身作業や出荷作業を行っております。20数年前に東広島市安芸津町に大芝工場を建て、自然豊かな三津湾で真牡蠣をメインにした牡蠣を養殖、こちらでも作業を行うようになりました。
広島県沿岸のほぼ中央に位置する三津湾は、野呂山から流れるミネラル豊富な河川水と海水が交じり合う、美しく豊かな海。古くは真珠養殖がされていたほどの美しい海域です。厳しい基準をいくつもクリアした海域である「指定清浄海域」に定められており、牡蠣の人工浄化をする必要がないほどのきれいな環境です。今の日本ではEUへ輸出できるのは、三津湾のみです。日本で唯一の海域です。
牡蠣養殖においては、信頼のおける商品を届けると共に、美しい三津湾の海洋環境も守っていきたいと考えています。三津湾には、近年の環境悪化で数が激減しているといわれるアマモがいまだ多く自生しています。「海の牧草」とも呼ばれるだけあり、アマモはたくさんの魚や海の生き物のすみかとなり、豊かな海を作り出すのです。私たちは、このアマモの生育を妨げないような養殖方法や漁場づくりに配慮。さらに資材を繰り返し使い、牡蠣殻の有効活用方法を探り、環境負荷が少なくなるよう心がけています。
また、牡蠣養殖業界において、多様な人材が活躍できる場を構築できればと考え、外国人や障がいを持つ人たちの積極的な雇用を推進。技能実習生を多数受け入れ、いずれは母国に技術を持ち帰り、広島の牡蠣養殖の素晴らしさを広めていってほしいと思っています。障がい者雇用に関しては、以前から資材整理などのお手伝いをお願いしており、その几帳面な仕事ぶりに私たち自身が大きく助けられています。
今後の目標は、牡蠣のみならず、三津湾やそこで暮らす人々、地域の良さを丸ごと発信していくこと。県内外の人たちが三津湾やそこで育まれる牡蠣に興味関心を持ってくれるよう働きかけ、持続可能な地域の発展に貢献して参ります。
矢野水産株式会社