プラチナバイオは、広島大学ゲノム編集イノベーションセンター・山本卓教授らの国産ゲノム編集技術を核にして設立されたスタートアップ企業です。大学で得た研究の成果を使い、社会課題の解決を目的に活動しています。
微生物、動物、植物など、生きとし生けるものはすべてDNA(遺伝情報)を持っていて、DNAを解読してデータ化するとコンピューターで解析できるようになります。自然界では、偶発的に起こる突然変異によりDNAの遺伝情報が編集され、その生物が持つ性質(高温や乾燥に強い等)が劇的に変化することがあります。これを狙って正確に起こすのが「ゲノム編集」です。
例えば、私たちが広島大学・堀内浩幸教授と一緒に進めているプロジェクトのひとつに、卵アレルギーでも食べられる卵の開発があります。鶏卵でアレルギーを引き起こす原因となる「アレルゲン」はタンパク質でできていて、そのほとんどが加熱すると熱変性してアレルギーを引き起こさなくなります。しかし、オボムコイドというタンパク質だけは熱に強く、除去できずに困っていました。私たちは、このオボムコイドをゲノム編集で除去した「アレルギー低減卵」の開発に世界で初めて成功しました。
ほかにも、生物の遺伝情報をデータ化・解析する「バイオDX」の技術を駆使して、土壌中の微生物をメタゲノム解析して、農作物の栽培条件の最適化をしたり、海面養殖の環境にフィットする魚を選抜するデータ駆動型育種をしたり、農水産資源の安定的な供給に貢献しています。
また、経済産業省のプロジェクトにも採択され、砂漠のような乾燥地でも育つ植物の事業化にも取り組み、食糧危機や砂漠の緑化といった、グローバルな社会課題の解決に挑戦しています。
すでに国内だけではなく、海外の企業や大学と共に進められているプロジェクトが多々。まずは東広島にこのような企業があることを知っていただき、広島から世界へ向けて、「生物機能をデザインして社会課題を解決する」というミッションをクリアしていきたいです。
プラチナバイオ株式会社