さざなみの森
子ども・保護者・地域が一緒に里山保育で未来に貢献
Interview
“生きる力”を育む環境づくり
当園は1979(昭和54)年、板橋さざなみ幼稚園として誕生しました。「子どもたちがたくましく“生きる力”を育める環境を」という思いで、立地を選定。里山の傾斜地を生かし、自然の起伏を取り込んだ園舎・園庭を設計しました。周辺の小川やため池、田んぼは、四季折々に花が咲き多様な生き物に出合える場所。里山の自然に囲まれ、子どもたちがのびのび遊べる環境が自慢です。
2011(平成22)年には認定こども園に移行し、0〜2歳児の受け入れと、保育園タイプのクラス運営に挑戦。異年齢の子どもが交流する時間や、食と農を組み合わせた給食などで、よりよい教育(保育)の実践に努めています。また開園から40年の間に地域の皆さんとの交流が深まり、当園の保護者と協力しての里山保育(後述)が年々充実。幼児教育・保育にとどまらず、豊かな地域づくりにも参加しています。
当園の活動とSDGsを結びつけた契機は、2019(令和元)年に当時16歳の環境活動家、グレタ・トゥンベリさんの活躍を知ったこと。「一人ひとりの行動の影響を、地球規模で考えるべき」「子どもたちがこれから生きていく環境を、もっと真剣に考えなくては」といった思いが浮かんできました。そして、教育(保育)の質向上や里山の活用など、私たちが従来取組んできたことをSDGsの考え方で整理。園内外にアピールしようと考えました。

子どもたちが生きていく環境を

真剣に考える

認定こども園 さざなみの森
園長 難波 元實さん
公開日:2021年3月

さざなみの森のSDGs実践

里山保育のすすめ
現代っ子は日常的に自然に触れる機会が減り、ゆったりと里山で過ごす機会も少なくなっています。当園では、多様な木々が育つ園庭、ため池や小川をめぐる自然探索ルート、想像力を発揮して遊べる広場などをフィールドに、子どもたちの五感を刺激します。大人が指示する遊びではなく、子どもたちが自由に新しいことに挑戦したり、仲間と協働して遊んだりできるよう、時間、空間、仲間という「3つの間」を大切にした里山保育にこだわります。
対応するSDGs ゴール
持続可能な里山づくり
地域の方々は里山保育に理解があり、裏山を遊び場として提供してくれたり、米作り体験を支援してくれたりしています。あまり自然体験をしたことがない保護者の皆さんも、裏山の草刈りや米作りなどに参加。収穫した新米は、農家の方から保護者に適切な価格(市場に出荷するより高く、スーパーで購入するより安く)で頒布し、里山での農業を応援しています。みんなで協力して行う「いのこ」や「とんど」などの伝統行事も、地域活性化に寄与していると考えます。
対応するSDGs ゴール
食べられる園庭づくり
「野菜は買うもの」と思っている子どもが多い現在。当園の子どもたちには園の畑で野菜を育て、収穫し、調理にも参加してもらっています。友だちと一緒に一連の作業を経験することで、苦手な野菜を克服する子が続出。年長になると、田植え、稲刈り、脱穀と米作りの一連の作業も体験。給食のご飯は、教室に炊飯器を置いて炊くなど、「土と食卓を近づける」工夫をしています。
対応するSDGs ゴール
事業所の廃材を教材に
熊野筆のメーカーさんから、竹の軸をカットした端材を大袋でいただきました。よく磨かれた竹は、糸を通したり、接着剤でくっつけたりして、美しい造形物に生まれ変わります。また、段ボール加工を手掛ける保護者は、丸型や星型に抜いた段ボールの小片を大量に寄付してくれました。いずれも事業者が処理代を払って捨てる不用品ですが、子どもたちにとっては“お宝”。廃材を教材に変えるこの活動は、お互いにとってメリットばかりです。
対応するSDGs ゴール
地球という船の乗組員として
東広島市の「SDGs未来都市東広島パートナー宣言」制度に登録して、私たち自身は「SDGsに真剣に取組む」という思いを確認できました。また登録の効果として期待しているのが、事業所の廃材を教材として生かす活動を広めること。元々この取組みは、イタリアのレッジョ・エミリア市でスタートしました。事業者が提供した廃材を巨大倉庫に集め、市内の幼児教育施設で創作に活用するという仕組みです。これを東広島市で展開するための方法として、私たちは「市内の事業者から廃材を提供してもらい、障がい者作業所などで分類し、行政の倉庫で保管し、保育・教育機関で活用する」という活動を提案していきます。参加する人すべてにメリットがあり、SDGsの観点でも資源の有効活用、教育、福祉などに貢献でき、意義ある活動だと考えるからです。
20世紀のアメリカ人建築家、バックミンスター・フラーは「地球船宇宙号」という概念を提唱しました。今こそ私たち全員が地球という船の乗組員として、SDGsの精神で世界のために動く必要があると思います。また私たち大人の責務は、将来「地球船宇宙号」を操縦する子どもたちのために、今、よい環境を整えること。SDGsを通じて一人でも多くの人とつながり、教育(保育)を中心に多方面で貢献していきたいと思います。
企業・団体情報
園名
認定こども園 さざなみの森
園紹介
1979(昭和54)年、板橋さざなみ幼稚園として開園。保護者・子どもを取り巻く環境の変化に対応するため、2011(平成22)年に認定こども園に移行。0〜5歳の子どもたちが、里山で遊び、学び、生活している。
住所
東広島市西条町寺家261
電話
082-422-3788
URL
http://www.i-sazanami.net/