広島大学附属幼稚園 東広島園舎
自然と触れ合い自主性や創造力を育む
Interview
ESD教育を実践するユネスコスクール加盟幼稚園
「広島大学附属幼稚園」は、国立大学・広島大学の附属幼稚園で、最新の幼児教育理論に基づいた質の高い教育を実践しています。大学が有する専門的知見を学びに生かせるところが魅力で、その成果を国内外に発信。家庭とのつながりも大切にし、保護者の皆さんを子どもの成長を共に考える「ひとつのチーム」としてとらえ、親も子も教員も育つ園を目指しています。また、東広島園舎は「森のようちえん」と呼ばれるほど緑豊かな場所にあり、自然と触れ合える機会が多々。子どもたちの自発的な興味関心を促し、みずから動くような環境がととのっています。ESD教育(持続可能な社会を実現するための教育で、現代社会が直面する環境問題、貧困、格差などの課題を主体的にとらえ、解決に向けた行動を促す学習活動)には当初から力を入れており、平成29年にはユネスコスクール(ユネスコの理念や目的を学校のあらゆる面に位置づけ、ユネスコが提唱する教育理念を実現する学校)に認定。子どもたちの自主性や創造性を育む活動を多く取り入れています。
 本園では、「子どもたちが興味関心をもったことから学びを深めていく」という保育を重視。例えば年長クラスで行われる「おとまり保育」では、ある年、献立を決める際にカレーが候補として挙がりました。そこから、カレーに添えるナンへと関心が移り、最終的にインドという国へ興味が広がっていきました。インドの人口、経済、どのような人たちが暮らしているのかを調べることは、世界へ目が向くきっかけに。ちょうど、オリンピック・パラリンピックが開催された年でもあったので、そのほかの国々について、その国で盛んな競技や国旗の由来なども研究。オリンピックの本来の意義である“平和の祭典”というところにも視点が移り、身近な平和について考える機会にもなりました。
 最近の活動で印象的だったのは、森の木を使った遊具、家具作りです。園の裏には山が広がっていて、「ここに生えている木を使って遊具を作ろう」という活動が生まれました。さらに「今ある木だけでなく、身近な廃材から家具が作れたら良いかも」という意見が出され、業者に協力いただき、建築廃材から机や棚を作ることに。資源の循環について学ぶ機会となりました。驚いたのが、製作するうえで子どもたちの方から「ここにぶつかったら痛いから角を丸くしよう」「小さい子たちが使いやすいようにもっと高さを低くしよう」というような、他者を思いやる発言が多々飛び出したのです。資源の循環という学びをテーマにして始まったこの活動ですが、思いやりや助け合いといったところまで視点が広がり、貴重な体験となりました。私たち教員自身が、日々子どもたちから気付かされることは本当に多くあります。今後も子どもたちと一緒に、学びを深めていきたいです。

子どもの興味関心から

生まれる主体的な学びを

広島大学附属幼稚園 東広島園舎
主幹教諭 中川 順子さん
公開日:2026年9月

広島大学附属幼稚園 東広島園舎のSDGs実践

自然と触れ合う活動
木の遊具を多数そろえた園舎裏手の山際。土、木の実など四季折々の自然を感じながら遊びます。また山登り、オリエンテーションといった活動を行い、自然と触れ合える環境をととのえています。環境整備や遊具づくり体験は、保護者や業者の方と力を合わせることも多く、協力する大切さも学んでいます。また、園では烏骨鶏を飼育し、生き物と触れ合える場があります。
対応するSDGs ゴール
多様性を学ぶ機会の創出
日常の生活が、国や文化について知るきっかけにも。留学生や外資系企業に勤める外国人も多い東広島では、子どもたちの国籍が多岐にわたります。ある時、節分の豆まきをすることになり、宗教や食文化の違いから参加できる園児とそうでない園児がいることに気付きました。皆で楽しめるように、行事をどのように工夫するかを皆で考え、多様性を学ぶ良い機会となりました。
対応するSDGs ゴール
地域や産業について知る
園外学習を行う予定だった日に、大雨の影響で公共交通機関がストップ。急遽予定を変更し、まちを探検することになりました。スタート地点だったJR西条駅の職員さんに話を聞いたり、「くらら」の市民ギャラリーへも。作品を展示されていた制作者の方から説明をいただき、その後は美術館にも足をのばしました。自分たちが暮らすまちにどのような人がいて、どんな産業があるのかなど、身近なところでの学びの機会を今後も増やしていきたいと考えています。
対応するSDGs ゴール
子どもたちを皆で育てるまちに
広島大学附属幼稚園 東広島園舎 主幹教諭
中川 順子さん 
子どもたちと一緒に「まち探検」を行った際に、地域の人たちがとても良くしてくださいました。仕事場を見せてくれたり、詳しく案内してくれたり…。私は、市役所に何度か訪れたことはありましたが、SDGsについての情報発信をされていて、こんな身近にも学びの場があったのだなと気付かされました。幼児期に体験したことはすべて、子どもたちの礎になっていきます。幼児期の体験はその後の価値観や感受性の育まれ方につながります。これからも子どもたちに、生きた学びを提供していきたい。どんどん外へ出て、さまざまな体験をしてほしいと思っています。地域の皆さんに協力をお願いすることもあるかと思いますが、皆で子どもたちを育てていける、そんなまちになっていってほしいです。
企業・団体情報
園名
広島大学附属幼稚園 東広島園舎
園紹介
昭和41年に開園。大学と連携して質の高い幼児教育を実践する。目指す子ども像は、「自らしようとする遊びや生活に向かって、生き生きと取り組む子ども」「友達と心を通わせ、協力して遊びや生活を創り出す子ども」「身近な環境に心を動かし、かかわりを深めようとする子ども」。3~5歳それぞれの年間目標を設定し、年齢に応じた教育課程を実施。園内で野菜を育て収穫したり、大学と連携してグローバルデーや田植えなどの行事を行ったりしています。
住所
東広島市鏡山北333-2
電話
082-424-6190
URL
https://yochien.hiroshima-u.ac.jp/