旅がもたらす価値が、希望や生きる力に
昭和観光社は、当初は福祉を含む団体旅行の手配などを行う一般的な旅行業を行っていました。私自身が大病を患ったことから「車いすにやさしい主催ツアー」をスタートさせ、私が代表を務める頃から強化してまいりました。弊社が27年行っている「心の翼バリアフリーツアー」は、新幹線や特急列車の車いす専用席を手配し、福祉タクシーやバリアフリー部屋、貸切風呂、現地温泉ヘルパー、添乗員の移乗介助など選べるサービスを用意し、高齢者や障害者の方も楽しめるツアーです。申し込みをして頂いているのはさまざまな方ですが、病や事故により人生の途中で障害を抱えた人も多くいらっしゃり、今までできたことができなくなる、そんな絶望や不安に打ちのめされた人たちが、旅という場で、人生の希望や生きる力を取り戻していく姿を、数え切れないほど見てきました。お客様と人生観を共にする中で私の中に育まれてきたものは、「真の幸福社会を実現したい」という強い使命感です。また、旅を支える添乗員や各サポーター(温泉入浴ヘルパーなど)も、お客様の役に立ち喜び溢れる瞬間を目にすることで、仕事のやりがいや原動力を見出してきました。これらの経験を社会に還元すべく、一般社団法人バリアフリー旅行ネットワーク(代表)の理念を共感する企業や団体と共に実践をしながら、観光庁が掲げる「ユニバーサルツーリズム(誰もが旅行を楽しめる環境を目指すこと)」促進事業も広く行っています。SDGsという言葉が生まれるずっと前から、幸福社会の実現を願ってきた昭和観光社は、共鳴する人や企業・団体とのパートナーとして邁進しています。