153つぶのまめ
コーヒーで育む世界と地域との絆
Interview
多くの人に知ってほしい「フェアトレード」
以前にアパレル業界で仕事をしていた時、「フェアトレード」という言葉を初めて知りました。フェアトレードとは発展途上国の貧困な生産者・労働者の生活改善と自立を支援する国際的な運動のスローガンで、手工芸品や食品などを、適正価格で生産者から直接購入・販売します。当時、フェアトレードの雑貨やアパレルの店舗が周囲にいくつかありましたが、あまり考えが浸透していないなと感じました。その後、2016年に現在の店を開店。夫が精神的に体調を崩して仕事を辞め、夫婦で何か興味の持てるものはないかとコーヒー教室に参加したことがきっかけでした。その時、コーヒーについて教えてくれたのが、大阪に本部があるNPO法人「1杯のコーヒーから地球が見える」という団体。コーヒーの焙煎方法や淹れ方だけでなく、食や環境についてもレクチャーしてくれ、とても感銘を受けました。団体がフェアトレードのコーヒーに力を入れていたこと、アパレル業界で働いていた時に興味を持ったことから、私自身もフェアトレードの発信に尽力したいと決意。コーヒー豆の販売や家庭焙煎コーヒー教室、ワークショップなどを行い、フェアトレードのコーヒーやそのほかの食品の販売を行っています。フェアトレードと聞くと、“貧しい国を助ける”という認識を持たれがちですが、それだけではありません。実際にその商品を手に取って、購入することで世界が見え、自分自身が世の中とつながることができます。誰かの役に立てるささやかな活動を、フェアトレードを通じ感じてほしいと考えています。

フェアトレードで

世界とつながり

誰かの支えに

オーナー
山下 里美さん
公開日:2022年8月

153つぶのまめのSDGs実践

親子教室、ワークショップの開催
フェアトレードの話を子どもたちにわかりやすく伝え、お話の後に親子でコーヒーを焙煎してドリップパックコーヒーを作ります。店舗ほか「くらら文化ホール」調理室などの公共施設、子ども食堂で開催。フェアトレードのカカオ豆を使ってチョコレートを作る手作りチョコレートのワークショップも行い、親子でフェアトレードと食や環境について考える場を提供しています。
対応するSDGs ゴール
フェアトレード子どもカフェ
2021年11月に、小学生7名で「フェアトレード子どもカフェ」を開催。はじめにフェアトレードが何かを学んでもらう紙芝居を用意し、商品が手元に届くまでに多くの人の手が関わっていること、その人たちへの感謝を公正な対価で表すことを学習。話を聞いた後は、自分たちがカフェスタッフとなり、フェアトレードのコーヒーをドリップし、販売、会計なども行いました。売上金は子ども食堂を運営する地域団体「さとの会」に寄付。子どもたちには手作りのマイスターバッジを進呈し、会の様子はNHKニュースや中国新聞紙面でも取り上げられました。
対応するSDGs ゴール
東ティモールオンライン講座
フェアトレードを含めた民際協力活動を展開するNGO「パルシック」のオンラインセミナーを、店内モニターで開放受講。東ティモールのコーヒー農園とつながり、生産者とリアルタイムで通信し、フェアトレードコーヒーの生産状況についてお客様と一緒に学びました。生産者の声を直接聞くことで、実際の困りごとや手助けできることは何かを知り、自分事としてフェアトレードを認識できました。
対応するSDGs ゴール
あしながおじさん珈琲プロジェクト
エチオピア、ミャンマー、東ティモールなどのフェアトレードコーヒー豆を焙煎し、その売り上げを西条町田口の児童養護施設「広島新生学園」に寄付。2022年4月に開催し、入学進級のお祝いの気持ちを込めました。寄付額は61,000円で、学園からは丁寧な感謝状をいただきました。環境に関わらず、子どもたちが健やかに成長できる場のお手伝いができればと思っています。
対応するSDGs ゴール
そよかぜカフェ
コーヒーを使って癒やしの場づくりをしたいと思い、手焙煎コーヒーのイベントを福富町の「星降るテラス」で行いました。精神的につらい思いを抱えている人たちや、孤立している人たちに向けての場づくりでしたが、コロナ禍ということもあり1日しか開催できていないので、今後もどこかでできればと考えています。
対応するSDGs ゴール
情報先行ではないアクションを
コーヒはその香りや風味に癒やし効果があり、鮮度の良い豆をきちんと焙煎、ドリップすれば健康効果がとても高い飲み物です。フェアトレードに注力することで、世界の人とつながり役に立てますが、コーヒー自体でもさまざまな地域貢献ができると思っています。例えば今後は、高齢者が高齢者のためにコーヒーを淹れるようなコミュニティカフェを作って、賑わいの場の創出や孤立する人をなくす取組みをしたいと考えています。また、他地域では食育やフェアトレードの授業としてコーヒー焙煎学習を学校で取り入れているので、東広島の学校や子供会などの行事ごとにもこれらを導入していきたいです。子どもたちには自分で体験し、積極的に関わることで、自発的な学習の姿勢を育んでほしいです。SDGsに関して言えば、「17ゴールに向かって皆で動きましょう」と言われてもなかなかピンとこない子どもも多いのではないかと思います。自分でもできることにひとつずつ取組んで、情報先行ではない、「自分で考えてアクションを起こす」という動きにつなげられればと思います。
企業・団体情報
社名
153つぶのまめ
会社紹介
コーヒー豆(生豆・焙煎豆)、コーヒー器具、環境と体に優しい生活雑貨、フェアトレード食品の販売、喫茶を手がけるほか、コーヒー教室・チョコレートワークショップ、イベントなどを多数開催。フェアトレードの商品を取り扱い生産者に対価が還元できる取組みを行いつつ、地域や社会に貢献。オーナーは、元アーユルヴェーダのセラピストであり、NPO法人「1杯のコーヒーから地球が見える」公認インストラクター。
住所
東広島市西条栄町9-33
電話
090-7412-6203
URL
https://nagislowcoffee.com/