多くの人に知ってほしい「フェアトレード」
以前にアパレル業界で仕事をしていた時、「フェアトレード」という言葉を初めて知りました。フェアトレードとは発展途上国の貧困な生産者・労働者の生活改善と自立を支援する国際的な運動のスローガンで、手工芸品や食品などを、適正価格で生産者から直接購入・販売します。当時、フェアトレードの雑貨やアパレルの店舗が周囲にいくつかありましたが、あまり考えが浸透していないなと感じました。その後、2016年に現在の店を開店。夫が精神的に体調を崩して仕事を辞め、夫婦で何か興味の持てるものはないかとコーヒー教室に参加したことがきっかけでした。その時、コーヒーについて教えてくれたのが、大阪に本部があるNPO法人「1杯のコーヒーから地球が見える」という団体。コーヒーの焙煎方法や淹れ方だけでなく、食や環境についてもレクチャーしてくれ、とても感銘を受けました。団体がフェアトレードのコーヒーに力を入れていたこと、アパレル業界で働いていた時に興味を持ったことから、私自身もフェアトレードの発信に尽力したいと決意。コーヒー豆の販売や家庭焙煎コーヒー教室、ワークショップなどを行い、フェアトレードのコーヒーやそのほかの食品の販売を行っています。フェアトレードと聞くと、“貧しい国を助ける”という認識を持たれがちですが、それだけではありません。実際にその商品を手に取って、購入することで世界が見え、自分自身が世の中とつながることができます。誰かの役に立てるささやかな活動を、フェアトレードを通じ感じてほしいと考えています。