安芸の山里農園 はなあふ
健康で美味しい農作物を志和町から
Interview
持続可能な農業と安全な食を志して
もともと自然環境や農業に興味があり、東京で会社勤めをしながら新潟の棚田で米作りに携わっていました。新潟の農家さんは70~90歳代が中心で、これまで皆さんが築いてこられた技術や知恵を受け継いでいきたいと考えるようになりました。また、都市圏では小麦製品や乳製品の価格高騰が顕著で、この国の食の未来が心配になったのも自分で農業を始めてみようと思った理由です。ある時テレビを観ていて、化学物質過敏症のために化学肥料を用いた野菜を食べられない子どもがいることを知りました。これではいけない、本当に安心して食べられる、健康で安全な農作物を作らねばと、完全オーガニックの農業を志すことを決意。地元である広島で、標高や土壌、水質、寒暖差などを徹底的に調べ、最も農業に適していると感じた志和町で事業をスタートしました。こだわっているのは、持続可能な循環農業。ヒマワリや麦を育てて土に還し、雑草もすべて生かす草生栽培で作物を育てています。生き物調査や土壌診断も定期的に行い、豊かな土づくりにも心を砕いています。生き物がたくさん棲む肥沃な土地には、自然の上手な仕組みが備わっています。例えばウンカ(稲を枯らす害虫)が大量発生した時も、クモやカエルが多く生息する当農園では、生き物たちの捕食の効果で農薬を使わずに作物を守ることができました。これらの取組みが評価され、農業や土づくりに関する数々の表彰や認定をいただいています。

人と生態系が調和する

有機農業を続けていく

安芸の山里農園 はなあふ
代表 森 昭暢さん
公開日:2023年8月

安芸の山里農園 はなあふのSDGs実践

子ども食堂や教育機関との連携
子ども食堂へ食材を提供し、栄養価の高い有機農作物を食べてもらっています。また、小中学校や高校、大学といった教育機関と連携し農業体験や農業研修を積極的に開催。持続可能な地域農業に触れてもらい、質の高い教育と生涯学習の機会を促進します。インターンシップの受け入れも行い、地域で活躍する人材を育成します。
対応するSDGs ゴール
多様な団体や人と協力し強固な農業基盤
農福連携を実施し、福祉作業所や就労支援施設の利用者さんに作業をお願いしています。JICAを通じた留学生や外国人研修生の農業体験・研修の受け入れも活発に行い、さらに男女平等の雇用機会を設け、多様な人が関われる農業を模索しています。JAや道の駅といったあらゆる農業関連の施設と協力して地産地消を目指します。
対応するSDGs ゴール
地域との絆づくりや雇用機会の創出
地元の他業種と協働活動を行い、情報の共有や地域農業の活性化を図っています。町内会などのコミュニティ、地域イベントに参加し、絆づくりを進めるとともに雇用の機会を促進しています。また事業を行う上では、市や県産材といった地域資源を優先活用しています。
対応するSDGs ゴール
土壌や水質検査と再生可能エネルギーの使用
土壌微生物分析、土壌衛生細菌分析、生物多様性調査、井戸水の水質検査などを通じ、健康で安心安全な有機農業を実施しています。再生燃料(廃天ぷら油)を使って農業機械を作動させたり、雑草や食品副産物を用いた作物生産・草生栽培で環境保全型の農業を目指します。
対応するSDGs ゴール
農業の課題を解決し人と環境を守る
私が農業を始めようと決意した時、周りの人たちからずいぶん止められました。「事業として成り立っている人はほんの一握り」という声と共に、「長時間労働で休みがないのに収入が少なく、人手が足りないなどの課題が山積している」と聞きました。また、親の跡を継いでいる人の中には、やりがいが見出せないまま使命感だけで農業をしているという場合も見受けられました。これらの課題をどうしたら解決できるか考え、経営や販売の体制を強化。売り先を確保して販路を拡大し、安定的な収入につながるよう工夫しています。さらに短所に目を向けるのではなく、自分の農園や作物の魅力は何なのかを考え、長所をのばしていくような経営方法も大事だと考えています。農業は決して一人ではできない事業です。学生、外国人、障がい者など色々な方たちの力を借りながら、またこちらからは技術や知識を提供し、互いに高め合っていく体制ができればと考えています。さらに志を同じくする同業者と有機農業のグループを作って勉強会や共同販売を行ったり、酒販店と協働して酒を卸す飲食店に有機野菜を届けてもらったりなど、さまざまな仲間と連携を取っています。SDGs未来都市東広島推進パートナーに登録したことで、新たな業種の方とタッグを組むことも増え、イベントやマルシェなどに声をかけていただくようになりました。今後も多様な人、団体と力を合わせ究極の循環農業を目指していきたいです。近年では気候変動が顕著で、日照りや長雨など極端な変化を肌で感じます。適切な土づくりや、在来種・固有種といったタネの活用にも力を入れ、農業に関わる人も、環境も、さらには地球全体を守っていくような事業を展開していきます。
企業・団体情報
社名
安芸の山里農園 はなあふ
会社紹介
健康な土づくり、生き物の保全、リサイクルバイオ燃料の利用などを取り入れ、人と生態系が調和するアグロエコロジー(持続可能な地域農業の実践とそれを探求する科学や運動)的有機農業を行う。2020年に優良土づくり推進活動表彰として「日本土壌協会会長賞」を、2022年に「未来につながる持続可能な農業推進コンクール」にて「農林水産省農産局長賞」を受賞。農園名は、春夏秋冬の頭文字から命名。
住所
東広島市志和町志和西1537-1
電話
082-401-3296
URL
http://hana-fu.com/