里親制度を周知し、広げるために活動
私たちはともに“里親当事者”です。私(樋上)はもともと教育関係の仕事をしており、子どもが欲しいと願ってきましたが恵まれませんでした。産むことはできなくても何らかの形で子育てをしたいという思いから一念発起して里親に登録し、実の姉妹である2人の女の子を迎え入れることにしました。野平さんはファミリーサポートのメンバーとして、短時間の子どもの預かりや学校への送迎といった活動をしていて、その延長線上で里親制度に登録したそうです。互いに研修などで顔を知っていたこともあり、「もっと広島で里親制度が広がるといいね」と意気投合。個々での活動は限界があるため、団体にしたら啓発や里親同士のつながりづくりが図れるんじゃないかと考え、サークルを立ち上げることにしました。市の担当者に相談したところ、育児サークルと同じ位置づけで登録していただくことに。こうして2022年8月に「東広島里親サークル NanjaMonja」が発足しました。里親といっても種類がいくつかあり、ある程度の年齢まで育て上げる里親や、決まった期間だけ預かるパターンも存在します。里親というと養子縁組を前提としたものや、実の両親に代わって親族が育てる親族里親をイメージする人が多いと思いますが、そうではない色々なかたちが存在するのです。現在、親元を離れて暮らす子どもたちは約42,000人ほどいると言われ、その約8割は児童養護施設や乳児院で暮らしています。里親というと養子縁組をイメージする方も多いと思いますが、成人するまで親の役割を務めるといった里親だけではない、短期間だけ子どもを家庭に迎え入れる里親も非常に必要とされています。まずはそういった制度があるということを皆さんに知ってほしいです。