入野小学校
ユネスコ理念が礎の助け合いの学校
Interview
SDGsカレンダーに基づいた学習を展開
全校児童162名が通う入野小学校は、周りを山々に囲まれた緑豊かな学校です。今年度は「『夢と志』をもち、主体的に生きる児童の育成」という学校教育目標を掲げ、目指す児童像を「自分も相手も大切にし、自ら考えて行動することができる児童」として、日々の教育に取組んでおります。この、目指す児童像を噛み砕いて言い換えたのが、「かんがえる子」「がんばる子」「やさしい子」「けんこうな子」であり、頭文字をつないで「かがやけ、入野っ子!」がスローガンです。
本校は、2014年に東広島市で唯一のユネスコスクール(ユネスコ憲章に示された、ユネスコの理念や目的を学校のあらゆる面に位置づけ、「児童生徒の心の中に平和のとりでを築く」ことを目指すユネスコが認定する学校の国際ネットワーク)のひとつとして認定されており、以来、全校でESD(持続可能な開発のための教育)に取組んできました。子どもたちは本校のことを「助け合いの学校」と呼んでおり、相手を思いやる優しさや日常の中の平和が自然と息づいているように感じられます。現在は、SDGsカレンダー(年間指導計画)を学年ごとに作成して、総合的な学習の時間を中心にSDGs学習を展開。SDGsとは何なのかを理解させ、身近なことに関連づけて学ぶと同時に、入野のまちのこと、日本のこと、世界のことというように、だんだんと範囲を広げて課題を考え、最後はまた自分たちが暮らすまちの未来について思いを深くする学びの場にしています。普段自分たちが住んでいる地域でも、なかなかその良さに気付いていないという現状があるため、実際に地域の人と関わりを持たせて体験活動を取り入れ、その良さを実感できるように工夫しています。
今回は令和6年度のSDGsカレンダーをもとに進めていこうと考えている、各学年の取組みを紹介します。

自分も相手も大切にして

自ら考え行動できる児童に

校長 竹野 政彦さん
教諭(SDGs学習担当) 吉岡 葵さん
公開日:2024年7月

入野小学校のSDGs実践

植物や生き物の活動の様子を知る(1年)
「一年を通して、草花の様子の変化や生き物の活動の様子に興味・関心をもって観察し、自分の生活と関わっていることを実感する児童」を目指し、地域の公園に行って草花を観察するなどの体験活動を行います。また、学校を探検し、通学路を歩いて、自分たちが学んでいるところや地域はどんなところかを考えます。後半は、2年生に向けて自分たちができることは何かを探っていきます。
対応するSDGs ゴール
入野の自然や地域に関心を持つ(2年)
入野にある安全を見つけ、命を守っているものを知る「まちたんけん」を実施。また、「ぐんぐん そだて わたしの 野さい」と題し、野菜の植え付けから水やり、草取りなどのお世話を通して自然に関心を持たせます。秋には地域創生に関わる校外活動として広島空港・中央森林公園を訪問。目指す児童像は「野菜作りや町探検などの体験活動を通して、入野の自然や地域に関心をもち、友だちと協力しながら課題を解決していく児童」です。
対応するSDGs ゴール
入野地域の人の願いや優しさを伝える(3年)
「地域の歴史や文化及び福祉をテーマにした学習を通して、自分たちの住む地域との関わりから課題を見つけ、友だちや地域の人々と協力しながら地域の中で自分たちができることを実践していく児童」を目指して、竹林寺、菊田農園等を訪問。社会福祉協議会、民生委員と連携し、様々な福祉体験を通して、どんな課題を抱えているのかを探ります。
対応するSDGs ゴール
地域の環境を知り、ふるさとを守る(4年)
地域創生に関わる校外活動として、あゆ放流や東広島エコパーク見学、太陽光パネル見学を実施。下水道出前講座も受講します。入野で生きるとはどういうことなのか、ダムや発電所といった環境に関する施設について知り、地域を災害から守るための防災の取組みも行います。目指す児童像は、「環境保全や地域防災をテーマにした学習を通して、自分たちの住む地域との関わりから課題を見つけ、友だちや地域の人々と協力しながら、地域の中で自分たちができることを実践していく児童」です。
対応するSDGs ゴール
地域の伝統文化と自分たちの生活のつながりを知る(5年)
「地域の伝統文化についての学習を通して地域への愛着を持つとともに、地域、国、世界の様々な問題などをSDGsの達成に向けた課題を見つけ、友だちと協力しながら、自分たちができることを実践していく児童」を目指し、「竹林寺・小野篁について知る」「河内小学校の児童と交流する」といった地域創生に関わる活動を行います。また後半では、JICAの活動から課題を発見する「入野SDGsに関わる活動」も実践します。さらに、今年度はミミズコンポストを設置し、シマミミズを育て、たい肥に変える取組みを行っています。
対応するSDGs ゴール
まちづくりに参加し、地域の伝統や文化を継承する(6年)
「篁太鼓を継承する地域の方々の思いや願いを踏まえて、まちの未来のために自分たちができることを考えて地域に発信したり、地域の一員として行動したりしようとする児童」を目指して学習します。これまで学習してきた地域の伝承や地域の方の思いを継承し、自分たちの思いを篁太鼓にこめて演奏します。また、地域創生に関わる校外活動として、広島空港を見学し、プロフェッショナルな方のお話を聞いて、将来の自分の生き方につなげて考える学習を行います。見学後に自分の考えを発表し、河内小学校や広島空港の方とオンラインで交流する機会を設けます。また篁の森の植樹活動を行い、地域の人みんなが、楽しめる森になるようにアイディアを出し合い、地域の方や保護者と一緒に入野の未来について考える会を行います。
対応するSDGs ゴール
話し合いで課題を解決できる大人に 校長 竹野 政彦さん
本校ではほかにもプランターの植物の世話や、給食委員会による食べ残し防止の声掛け、SDGs委員会による資源回収のための牛乳パックの整理など、多岐にわたってサステナブルな取組みを展開しています。原動力になっているのは、「人の役に立って嬉しい」という気持ち。助け合いの学校として、「ありがとう」の言葉を伝え合いながら、争いではなく話し合いで課題を解決する大人に育ってほしいと願っています。また、東広島市には多数の大学があり、産官学が連携しやすい地域。保護者の方や地元の皆さんも学校教育に対して理解を持ってくださる方が多いので、今後も皆で一体となり、入野小学校らしい教育を提供していきたいと思います。
助け合いの心を持ち、多様性を認め合って 教諭(SDGs学習担当) 吉岡 葵さん
子どもたちの「SDGs」という言葉への理解度と関心が高く、常日頃からサステナブルを意識した行動ができているなと感じます。SDGs学習においては、SDGsカレンダーをもとにして年間スケジュールを進めていますが、児童が自分からカレンダーを見て「次は自分たちに何ができるんだろうか」と考えている姿も見受けられます。子どもたちには学校で学んだ“助け合いの心”を、社会に出ても存分に発揮してほしいと思います。さらに東広島市は外国人も多く暮らす、多様性のあるまち。いろいろな文化の違いを学ぶチャンスが多いと思うし、その違いを認め合えるような人間に成長してほしいと考えています。
企業・団体情報
学校名
東広島市立入野小学校
学校紹介
東は三原市、西は高屋町、南は竹原市が隣接する河内町の南端に位置。校区内には真言宗御室派準別格本山篁山寺竹林寺をはじめとする史跡文化財や文化・スポーツ・福祉施設があり、地域に根差した教育を展開している。平成13年に老朽化のため現在地に移転し新しい学び舎が完成。「強く 正しく 和やかに」を校訓とし、のびのびとした教育環境で助け合い精神を軸にした心身ともに健やかな児童を育む。
住所
東広島市入野中山台4-20-1
電話
082-437-1092
URL
https://www.city.higashihiroshima.lg.jp/school/nyuno_sho/