私たちの会社は、かつて旧陸海軍の指定工場として軍足(軍用足袋)を製造しておりました。戦後はその経験を生かし、一般靴下の製造を行うように。輸入品の影響などで苦しい思いもしましたが、素材の良いテイジンテビロン系の糸と出合い健康靴下の開発ができるようになりました。ある時、糖尿病を患っているお客様から「足先が冷えてどうにもならないから温めてくれる靴下が欲しい」と相談を受け、自社製品をすすめてみたのですが、そのお客様の納得いく結果を出すことができませんでした。「どうしたらもっと足先を温めることができるのだろうか」と調べ、冷えの原因が汗であることを発見。万年筆を使っている時にインクが先に集まっている様子を見て、同じような構造を靴下に用いたら汗を逃がすことができるのではという考えに至りました。そうして開発が進んだ「あぜ編み靴下」は、温かな状態を長く保てる画期的な商品として、会社の技術の礎となりました。
そこからはさまざまな助成金を活用しながら、他の製品の開発製造にも着手。広島大学の先生と共同開発で「転倒予防靴下」を作り上げ、自社の看板商品として育て上げることができたのです。転倒予防靴下は、数センチの段差でつまづいてしまう高齢者を支える製品として、各方面から好評を博しています。また、これを機に医療機器への参入を真剣に考えるようになり、自身の母親の介護経験も相まって、ベッドや椅子から滑り落ちるのを防ぐシート「楽位置楽座」を開発製造するようになりました。こちらは展示会に持って行くと非常に喜ばれることが多く、「これまで医療現場で用いるリハビリ製品には数多く出会ってきたけれど、在宅医療用製品が少なくて困っていました。この製品を知ることができて本当に良かったです」というような声をいただいています。楽位置楽座の汎用性はとても高いので、例えばベッドに敷いて滑り落ちるのを防いだり、椅子のマットとして使って姿勢を保つのに役立ちます。介護現場では、入浴時の介助椅子に敷いて利用者さんが安定した座位をキープできるように使用されています。
弊社には社訓のようなものはありませんが、お客様からいただく喜びの声、感謝の言葉が、そのまま大切な教訓になっています。これまで幾度かの試練もありましたが、ようやく社会のニーズとマッチする製品が作れるようになりました。今後も自社製品で、高齢者や障がいのある人を全力でサポートし、弊社が位置する安芸津町が“東広島市のメディカルバレー”となるよう努力を重ねていくつもりです。
株式会社コーポレーションパールスター