JICA中国
SDGsを“合言葉”に連携の力で開発途上国を支援
Interview
国際協力を実践し半世紀
JICA中国は中国5県の国際協力の拠点として、約半世紀にわたって開発途上国の発展支援に取組んできました。国連でMDGs※やSDGsが採択される前から私たちが実践してきた事業そのものが、SDGsが目指す「持続可能な世界の実現」と結びついています。現在は、既存事業とSDGsの関わりを再確認し、SDGs達成を意識しながら業務を推進中です。
JICAの仕事は、JICA関係者(職員や海外協力隊などのボランティア)の力だけで完結するものではありません。開発途上国の皆さんの課題を把握し、日本国内の市民やNGO、大学、民間企業、自治体などさまざまな方々と協働して、支援を必要としているところに届けることが重要です。その際、プロジェクトに関わる人全員が共通のゴールをイメージするため、SDGsの17の目標を活用。SDGsという世界共通の目標で方向性を明確にすれば、より効果的な支援活動ができると期待されています。また、国際協力出前講座やセミナーなどでは、SDGsの17の目標をヒントに、貧困問題や飢餓、水不足など、開発途上国に暮らす人たちの課題について理解を深めています。
※MDGs/ミレニアム開発目標。開発途上国の貧困削減に向けて2000年に国連サミットで採択された。

SDGsという世界共通の目標で

より効果的な支援活動ができると期待

JICA中国
市民参加協力課 主事 新川 美佐絵さん(左)
次長 吉川 正宏さん(中央)
市民参加協力課 専門嘱託 川崎 裕美さん(右)
公開日:2021年3月

JICA中国のSDGs実践

国際開発協力と日本の社会経済開発におけるJICAの経験を活用し、SDGsの17ゴール中、特に2、3、4、6、7、8、9、11、13、15の10ゴールの達成に主要な役割を果たします。
対応するSDGs ゴール

JICAボランティア事業
青年海外協力隊などのボランティア派遣事業には、120〜130の職種があります。SDGsの17の目標は「何か役に立つことがしたい」という意欲にあふれた隊員が、目的を明確にして現地で活動するための指標として有効です。例えば、派遣前は[3]の“健康と福祉分野での活動”を想定していた看護師の方が、現地のニーズに応えて[4]の“衛生面での教育”や、[11]の“安全に暮らせるまちづくり”も意識して取組み、大きな成果をあげた事例がありました。
研修員受入事業
開発途上国の行政官や技術者など、国づくりを担うリーダーを日本に招いて、技術やノウハウを伝える事業です。JICA中国の地域性を生かした研修として、広島の被爆からの復興や平和構築の取組みを学ぶ機会も設けています。SDGsの17の目標は、研修生と受け入れ側の双方で、研修の目的を共有する際に有効です。国や言葉の違いを超えて、思いを一つにすることができます。
草の根技術協力事業
日本のNGOや地方自治体、大学、民間企業などが蓄積した知見や経験を、開発途上国の発展に役立てる活動です。実施団体の皆さんは、自分たちの事業がもたらす効果をSDGsの目標で理解し、意欲的に取組んでいます。例えば家庭菜園づくりを指導した団体は、当初[2]の“飢餓の解消”への貢献を目指していましたが、[3]の“栄養改善による健康づくり”、[15]の“緑化”などにも貢献できると気付き、より一層手応えを感じたそうです。
開発教育支援事業
地球規模で考え、地域で行動できる人材の育成に向けて、JICA中国では国際協力出前講座などを実施しています。子ども向けにSDGsの17の目標が載ったさいころやカードゲームなど、楽しく学べる教材を準備。「今、世界のために自分ができること」を考えてもらえるよう、これまで積み重ねてきたノウハウを生かし、サポートしています。
“自分ごと”として具体的に考える
JICA中国がSDGsを推進していることが徐々に知られるようになり、SDGsと国際理解を絡めた出前講座の依頼が増加。また、SDGsをキーワードに、これまでつながりのなかった個人・団体からの問い合わせも増えています。例えば、建設会社で働く方がSDGsを学ぼうと、難民問題を考えるセミナーに参加した時のこと。「人手不足が続く建設業界で、難民の皆さんを雇用することができないだろうか」という提案がありました。このように、開発途上国の問題を“自分ごと”として捉え、具体的に対策を練る人が増えていけば、SDGsの達成に向けて大きく前進できると考えます。
私たちJICA中国の職員も、日頃の業務とSDGsの関係を意識し、具体的にどの目標に貢献できるかを考えるようになりました。目指すゴールから逆算して業務や事業を見つめ直すと新たな気付きがあり、自分たちの仕事にも新鮮なやりがいを感じています。
SDGsは子どもから大人まで、世界中の全ての人に関係する国際的な目標です。国境に関係なくみんながつながれる、未来のための“合言葉”として、これからますます重要度が増していくでしょう。JICA中国は[17]の“パートナーシップで目標を達成しよう”の精神で、さまざまな分野の方々と連携を進め、これからもSDGs達成に力を尽くしていきます。
企業・団体情報
社名
JICA中国
会社紹介
JICAは、日本の政府開発援助(ODA)の実施機関として1974(昭和49)年に誕生。中国地方ではJICA中国が事業を展開している。受け入れた研修生は11,000人以上、派遣したJICA海外協力隊員は3,300人を超える(中国地方での累計)。
住所
広島県東広島市鏡山3-3-1
電話
082-421-6300
URL
https://www.jica.go.jp/chugoku/