耕作放棄地を活用して、小学生や大学生などに農業体験の場を提供する「ひろしま農育プロジェクト」を始めたのは、2018(平成30)年です。契機は、西条の中心市街地からほど近く、田畑に囲まれた場所に引っ越したこと。家の周りには担い手を失い、荒れていく農地が点在していました。私は小学生のころから実家の農業を手伝ってきて、今も農業に関わる仕事をしています。「農地を荒れたまま放ってはおけない」という思いと、3児の父として子どもたちに農業体験をさせたいという願いを組み合わせたのが「ひろしま農育プロジェクト」です。
まず農地は、高齢になって農業が続けられなくなった方からお借りしました。活動メンバーは、当初、ツイッター(会員制交流サイト)で募集。大学生を中心としたボランティアが集まり、田畑の手入れや農業体験イベントの運営などを行ううち、徐々に口コミで輪が広がっていきました。近隣の小学校とも連携ができ、田植えや稲刈り、さらに収穫した餅米で餅つきをして食べるところまで体験してもらっています。
SDGsと「ひろしま農育プロジェクト」の活動の方向性が同じだと教えてくれたのは、ボランティアの大学生でした。SDGsの目標に当てはめて自分たちの活動を客観的に評価し、改めて「農育は世の中に必要とされている」と認識。メンバーのモチベーションが大きく高まりました。
ひろしま農育プロジェクト