ひろしま農育プロジェクト
耕作放棄地を農業体験の場に 地域づくり・人づくりに貢献
Interview
農業と子育てを組み合わせ
耕作放棄地を活用して、小学生や大学生などに農業体験の場を提供する「ひろしま農育プロジェクト」を始めたのは、2018(平成30)年です。契機は、西条の中心市街地からほど近く、田畑に囲まれた場所に引っ越したこと。家の周りには担い手を失い、荒れていく農地が点在していました。私は小学生のころから実家の農業を手伝ってきて、今も農業に関わる仕事をしています。「農地を荒れたまま放ってはおけない」という思いと、3児の父として子どもたちに農業体験をさせたいという願いを組み合わせたのが「ひろしま農育プロジェクト」です。
まず農地は、高齢になって農業が続けられなくなった方からお借りしました。活動メンバーは、当初、ツイッター(会員制交流サイト)で募集。大学生を中心としたボランティアが集まり、田畑の手入れや農業体験イベントの運営などを行ううち、徐々に口コミで輪が広がっていきました。近隣の小学校とも連携ができ、田植えや稲刈り、さらに収穫した餅米で餅つきをして食べるところまで体験してもらっています。
SDGsと「ひろしま農育プロジェクト」の活動の方向性が同じだと教えてくれたのは、ボランティアの大学生でした。SDGsの目標に当てはめて自分たちの活動を客観的に評価し、改めて「農育は世の中に必要とされている」と認識。メンバーのモチベーションが大きく高まりました。

「ひろしま農育プロジェクト」の活動は

SDGsと方向性が同じです

ひろしま農育プロジェクト
代表 川口 泰伸さん
公開日:2021年3月

ひろしま農育プロジェクトのSDGs実践

農業を通じた学びの時間
子どもたちには、米作りや野菜作りなど、体を動かし土とふれあう時間を提供しています。大学生には、農作業をするだけでなく、栽培計画から販売までを含めた農業経営体験に挑戦する機会を準備。大人から子どもまで、年代に合わせた幅広いプログラムを準備し、誰もが楽しみながら学べる時間を提供していきたいと考えます。
対応するSDGs ゴール
耕作放棄地を活用
過疎化・高齢化が進む地域では、農業の担い手不足から耕作放棄地が増えています。「ひろしま農育プロジェクト」が農業体験に活用する農地の9割は、そうした耕作放棄地です。田畑が荒れてしまう前に農業体験に活用させてもらい、里山の自然環境を守りたいと思います。また、荒れた土地を豊かにし、食料自給力向上にも貢献していきます。
対応するSDGs ゴール
農業による地域活性化
耕作放棄地をお借りして農業体験の場にしたり、農業を核にしたイベントを実施したりすることで、地域の活性化やコミュニティーの復活につなげます。また、さまざまな事情により絶えてしまう地域の特産品を維持し、さらに新たな特産品を開発する活動も実施。地域の誇りを取り戻し、活気づけていくことが目標です。
対応するSDGs ゴール
子どもたちに食材を提供
生活が厳しいご家庭に定期的に食品を届ける「こども宅食応援団」の活動が全国に広がっています。私たちもその仲間になり、東広島市西条町で2021年から活動を開始。「ひろしま農育プロジェクト」で育てた野菜と、協賛企業・団体から提供していただいた食品を、ボランティアスタッフが希望者に届けます。今後は、子育て経験のあるメンバーが悩み相談に乗るなどのサポートも併せて行いたいと考えています。
対応するSDGs ゴール
積極的な情報発信でさらに成長
現在、活動メンバーは約20人です。地域の皆さんにも私たちの取組みを認めてもらい、「うちの田んぼも使ってほしい」と声を掛けられるようになったのはうれしいことです。さらに手応えを感じたのは、米づくりを体験した小学生が「大人になったら農業がしたい」と言ってくれた時。また、農業経営を体験した大学生の中から、職業として農業を選ぶ人も出てきました。3年間活動を続けてみて、地域を豊かにし、農業の担い手を育てるという意味で、「ひろしま農育プロジェクト」の意義を改めて感じています。
私たちがSDGsに貢献する姿勢は、ホームページやツイッターなどのSNSでアピールしています。また、東広島市の「SDGs未来都市東広島推進パートナー宣言」にも参加。行政・企業・市民など多くの人に私たちの活動を知っていただく機会にしていきたいと思います。これまでにも積極的な情報発信により出会いが生まれ、日本各地の団体とオンラインセミナーを共同開催したり、東京FMから大学生メンバーがインタビューされたりと、活動を広げてきました。今後もさまざまなつながりを大切に、さらに社会に貢献する「ひろしま農育プロジェクト」を育てるため、楽しみながら邁進していきます。
企業・団体情報
組織
ひろしま農育プロジェクト
組織紹介
2018(平成30)年始動。農業×育児をコンセプトに、地域づくり、人づくり、仲間づくりに取組む。子どもたちと大学生や社会人のボランティアが、農業体験や地域活性化イベントを企画・運営中。
URL
https://agupar-project.amebaownd.com/