安芸津町で生まれ育った私は、家業である建設会社『株式会社 新川』の取締役専務を務めています。幼い頃からこの町を見てきた私にとって、高齢化、過疎化は待ったなしの問題だと捉えてきました。そこで、地域の活性化や移住を軸にした活動を行いたいと思い、『合同会社トモシビファーム』を設立。空き家をリフォームして、コワーキングスペース『third』をオープンし、町のコミュニティ拠点としてきました。時には書道教室などの地元の子どもたちが通う学び舎に、時には生け花を習っているお母さん方の成果発表の場に、thirdはさまざまな使われ方をしてきました。一方、町の未来を考える人たちと共にセミナーや交流会を開き、今後の安芸津町をどう活性化するかの話し合いを続けてきたのです。
これまで合同会社トモシビファームでは、安芸津町に移住したい人と町をつなげる橋渡しのような役割も担ってきました。空き家のリフォームなどを手掛け、“町や、町の業者にお金が落ちるような仕組み”も同時に考えてきたのです。ところが、町の活性化を進めていくにあたり、「公園があったらいいかも」というような、“お金は生まないけれど公益性の高い施設や事業も必要”という視点に気付かされるようになりました。そこで新たに立ち上げたのが、『NPO法人あきつとあしたに』です。法人が立ち上がった初年度には、まずは町の認知度を上げることが大事だと考え、講演会事業を実施。年に4回開催したこの講演会では、多い時は300人以上の人が訪れ、好評を博しました。第1回は、「食と農からのコミュニティづくり」と題し、一次産業に従事する人を対象に農業とまちづくりに関わる講演会を開催。第2回は「私が笑って育てた子は重度知的障がいを伴う自閉症児と健常児」というテーマで、インフルエンサーの蓬郷由希絵さんを招き、子育てや障がい者への理解などについてお話をいただきました。第3回は、「5年半の二拠点生活と、その先」というタイトルで移住や二拠点生活に関する話を、第4回は「人口2700人の町が目指す『明るい過疎化』」というテーマで過疎や町の在り方についてオンラインで聴講しました。講演会は、可能な場合には懇親会をセットにし、人と人がつながる場に。そこで出会った人同士で新たな事業が生まれるなど、好反応を得ることができました。
現在は、ポッドキャストラジオ番組『アキツカンパイラジオ』を展開し、さらなる認知度向上を目指しています。安芸津町が抱える人口減少という課題はすぐに止まるものではないと思いますが、町を知り、訪れてもらう人を少しでも増やすことで変わる面があるかもしれません。そのために、“新しい取組みにチャレンジし続けている面白い町”と感じてもらうことが重要です。新しい挑戦が集まり、それを応援し続ける町にしていきたいです。
NPO法人あきつとあしたに